福島原発事故は冷却水を回さなくても収束できます

福島願発事故を冷却水を回さないで収束する方法について
山田廣成

福島原子力発電所の事故が起きて2年になるが、圧力容器、格納容器に穴が空いており冷却水の漏れが一日400t有るという状況で、放射能を格納容器の外に出し続けている。冷温停止していてもこれでは意味が無い。このとても収束できたとは言えない状況に心を痛めている。私は原子炉物理の専門家では無いが、核物理を専攻した人間として、責任の一端を感じ、放射能の垂れ流しを止める方法を考えてみたので、皆さんのご意見を賜りたいと思う。物理学者が動かなければならないときだと思う。
 原子炉は冷却水を流すことなく、放射能を外部に放出することなく停止状態で維持できると思う。そもそも現在原子炉内では核分裂の連鎖反応が起きているわけでは無いようだ。従って、発熱量は主に放射性同位元素の崩壊による物である。聞くところによれば100tの核燃料の崩壊熱は1MWと言うことだ。発電機を回せる程度の発熱をしているわけだから、冷却水を止めれば、核燃料は容器を突き破り、チャイナシンドロームを起こすことは確かだ。しかしこの熱量は太陽光発電で発生できる程度の熱量とも言える。あるいは、太陽から地球に降り注ぐ熱量はこれよりも遙かに大きいと言うこともできまる。地上に降り注ぐ太陽熱は約1KW/m2である。従って1000m2に降り注ぐ太陽熱が1MWだ。
 そこで少し考えてみた。太陽から降り注ぐ熱量が地球を加熱して地球はどんどん高温に成っているだろうか?いやそう言うことはない。地球の温度はほぼ一定である。何故なら、降り注いだ熱量は地球外に放射されているからだ。一旦大気を暖めるが、大気から宇宙へ放射されている。即ち平均1KW/m2の熱量が毎日大気に放熱されている。海からの放熱は大地からの放熱より少なく、大地からの放熱はそれよりずっと多いだろう。
ここにアイデアーが有る。大気への放熱がこれほど有るならば、停止している原子炉も水で冷却することなく容器からの放熱で間に合うのではないか?そこで地球の放熱係数を求めてみた。ご存じのように放熱パワーPは、プランクの公式 

P = a´(Tg4-Tair4)

に従う。aを地球の平均的な放熱係数としよう。Tgは大地の絶対温度である。簡単のために砂漠での昼間の大地の温度を50℃としよう。夏の砂浜の温度もこの程度だろう。乾燥した砂漠の大気の温度は、照り返しがひどいが、地表から10mも上がればその温度は20℃程度だろう。Tairに大気の絶対温度を入れる。もっと上空へ行けばさらに温度は低い。対流が起こらない状況で20℃と設定するのは控えめであろう。このような条件で1m2の地球の平均的な放熱係数を求めると、a=4.1×10-10[KW/T4] である。これが1m2当たりの地球の平均的な放熱係数である。勿論材質により放熱係数は異なる。鉄からの放熱はもっと大きい。水は放熱しにくい。
そこでこの控えめな放熱係数を用いて、格納容器が200℃になったときの放熱量を求めよう。 Tgに200℃を入れる。Tairは20℃である。すると放熱量Pは32KWとなる。これは1m2当たりの値であるから、格納容器の面積を30m2としよう。これは東電の担当者にお聞きしなければならないが、1MWを高々30m2で放熱できる。即ち、200℃で格納容器の温度はバランスする。 200℃の物体がそこに有ることはそれほど非常識なことではなく、発火が起こるわけでもなく、格納容器がくずれ落ちるわけでも無い。かなり控えめな計算であるし、風が吹けばさらに放熱速度が上がる。熱伝導で大地に熱が逃げることもある。従って多分にかなり200℃以下で熱平衡状態になるだろう。
しかし、冷却水を止めて水が蒸発すれば、勿論核燃料の周りの鉄が融解を初め、穴を開けることになる。そこで提案するのが金属の粉末を格納容器に投入することだ。例えば、冷却水循環装置を用いて鉛の粉末を原子炉に輸送する。水と一緒に輸送する。 鉛の粉末はやがて格納容器の底に溜まり堆積する。核燃料が水から隔離されると周りの鉛を溶かす。液状鉛がプールを作り出す。鉛のプールは容器との熱伝導を良くするであろうから、熱は格納容器に急速に移る。鉛の量が増えればそれだけ熱の移動速度が上がる。そして格納容器からの放熱が始まる。水に触れている場所の鉛は溶けないが熱を伝導する役割は果たす。熱の移動速度は簡単にシミュレーションができる。しかし鉄の熱伝導度も鉛の熱伝導も極めて高く、水より圧倒的に高いわけだから、熱はすぐに容器に移り放熱を始めるだろう。
実施するに当たっては細かい点を考慮する必要が有るが、このプロセスにはそれほど危険が有るようには思われない。水を循環させながら鉛の投入を続け、徐々に流量を減らし最後には水を止める。
格納容器の温度をモニターしながら実施すれば良い。鉛が溶け始めれば、すぐに格納容器の温度が上がり始める。内部の圧力をモニターしながら行い、圧力の上昇が無いにも関わらず容器の温度が上がり始めれば、想定道理のプロセスが進んでいると考えて良いだろう。
格納容器の底に穴が空いていると言うことであるから、投入した鉛の粉末は、穴からこぼれ落ちることもあるが、落ちた核燃料の上に注ぐので、そこで同じプロセスが起こる。穴が小さくて、融解した鉛が穴から流れ出ることも想定されるがその時には、流れ出て空気や水に接触して固化することも起こりうる。そうであれば、格納容器の穴は鉛でふさがると言うことも有るだろう。従って、このプロセスには殆どリスクは無いと考える。核燃料の周りを鉛が覆えば、放射能は鉛に閉じこめられる。放射能が外部に放出される危険はどんどん軽減するはずだ。
検討すべき事柄は幾つか有る。
① 現在の冷却水ポンプの圧力はどの程度で、鉛粉をどれほど輸送する力が有るか?
② 鉛粉を投入する入り口は何処に作ることができるか?高い場所から鉛粉が流れ落ちる構造にしたほうが良いだろう。
③ どの程度の鉛を投入するかは熱伝導率から求まる。 それほど難しい問題では無いが、格納容器の構造にもよるから、東電が図面を出さなければできない。必要な鉛の量は容積にして精々格納容器の10%程度だろう。格納容器の温度が均一になるわけでは無いだろう。下の方で熱いだろうが、熱ければ熱いほどプランクの公式に従って放熱量がおおきくなるから心配は要らないだろう。場合によっては格納容器の外から放水して冷やす準備をしておくのが良いだろう。
④ このプロセスで水素爆発が起こることは無いだろうが、念のためにベントをしながら実行しよう。ベントしたガスはフィルターを通して放射能を取り除くことは当然やるべき事だろう。
⑤ 安定状態が発生して、例えば200℃を維持するとき、高温の格納容器が酸化しやすいと言うことは有るだろうか?その点では、その方面の専門家のご協力が必要だろう。何か塗料を表面に塗るのが良いかも知れない。200℃の鉄が柔らかくなって強度が落ちると言うことは無いだろうと思うが、これも専門家が検討することだろう。いずれにしても多くの専門家にお集まりいただいて、民間の活力で、可及的速やかに原発事故を終息させましょう。

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