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プルトニュームをご存知でしょうか?

 広島にに落とされた原爆はウラン235を濃縮したもので、長崎に落とされたのはプルトニューム239です。ウラン235は中性子を1個吸収して核分裂を起こし2.5個の速い中性子を発生します。従って核分裂を持続するには減速材を用いて、速い中性子を遅い中性子に変換します。これに対してプルトニューム239は遅い中性子を吸収すると、核分裂して2.9個の速い中性子を発生しますので一挙に核分裂が起こりますから原爆として使われます。
 プルトニュームは自然界には存在せず、原子炉の中で作られます。ウランが中性子を吸収しさらにベータ崩壊して原子番号の大きなプルトニュームの同位元素がつくられます。その中にはプルトニューム240が含まれていますが、240は自発核分裂により遅い中性子を発生します。自発核分裂とは、読んで字のごとく、中性子を吸収して分裂するのではなく、勝手に分裂して、周りのプルトニューム239やウラン235を分裂させます。大変厄介な存在で、原爆を作る場合にもわずかな240の混入により核爆発が勝手に起きてしまいますから240を取り除かねばなりません。

主な核種の自発核分裂の確率を以下に挙げると、
235U: 5.60 × 10-3 回/s-kg
238U: 6.93 回/s-kg
239Pu: 7.01 回/s-kg
240Pu: 489,000 回/s-kg(約 1,000,000 中性子/s-kg)
プルトニューム240が如何に危険かわかります。

 さて問題は、福島の原子炉でどれだけのプルトニュウムが生成されているか公表されていないという事です。場合によっては、国は原爆の材料を秘密裏に生産していたかもしれません。
 私は、原子炉の中に大量のプルトニュウムが有ることを想定していませんでしたから、鉛冷却法を適用しても核爆発は起こらないと考えていました。ところがプルトニュームが大量にあるとすると話は別です。鉛を投入して、鉛が溶け出すと、重いプルトニュームやウランが液体鉛の中を移動して底に集中する可能性が出てきます。ここにプルトニューム240があると、核分裂が急速におこり、核爆発の危険性がでてきます。
 どうも国や東電はそれを恐れて、鉛冷却法を実施できないのだと思います。彼らは何故鉛冷却法を採用できないかについて明瞭な回答ができないのです。何故なら、原爆の材料を生産していたからです。
 鉛冷却法は誰が見ても、誰が考えても最も適切な方法なのです。それを採用できないのには、何か別の理由が有ったのです。
 
 これが私の現時点での推測です。
 恐ろしいことになりました。核爆発を起こす危険性が常にとなり合わせなのです。メルトアウトしていてもその危険性がつきまといます。お手上げです。核燃料がどこにどれだけ分布しているかを定量的に一刻も早く求める必要があるでしょう。

 山田廣成
 2014.11.24