メルトアウトして再臨界

民間福島原発事故収束委員会ではかねてより、メルトアウトして再臨界が起こる可能性を指摘してきましたが、現実になってしまったようです。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150408ddm012040037000c.html

核燃料は周りを融解して落ちてゆきますが、周りを溶かす結果、移動しやすくなり、沈みながら集積するはずです。集積が進むと必ず再臨界が起こります。特にプルトニューム240が自発分裂して爆発的に反応を起こします。集積量が少なければ、持続的反応は起こらず突発的になります。今後同じ様な爆発が度々起 こるでしょう。

多分、基礎のコンクリートを突き抜けて、地下に落ちた段階で、放射能が地表から放出されるようになった模様です。今までは、上に格納容器があったために放出されなかったのでしょう。地表で発光現象が見られたのはそのためです。

こうなるともはや、燃料の取り出しなどとバカなことを言っていられる状態ではありません。人々はすぐに避難すべきであり、原子炉の周りを分厚いコンクリートで固めることを急ぐべきでしょう。砂を盛るだけでは話になりません。
もはや、鉛収束方も、空冷方も意味をなしません。

いったいこの国には、まともな科学者がいるのでしょうか?理論的な考察のできる科学者がおらず、理論だということで東電もマスコミもこれを無視してきました。もっと早くに鉛冷却法を適用させることができなかったのは極めて無念です。
核爆発の可能性が有る以上、モグラ作戦を行うのも危険すぎるでしょう。チェルノブイリのように石棺にするしかないでしょう。

2015年4月11日

いわき市漁業組合矢吹組合長殿

いわき市漁業組合矢吹組合長殿

民間福島事故収束委員会代表

山田 廣成

汚染水の海洋放出可否に関わり、政府への対応を以下の様に行う事を提案いたします。

貴組合は東電と交渉を長く続けられ「汚染水の海洋放出はやむなし」の気持ちになられておられると新聞記事は伝えています。しかしながら、海は全人類の財産です。日本のものでも、福島県のものでもなく、いわき市漁業協同組合のものでもありません。その点を良くご検討いただき、別紙、東電への要望書としてまとめたような方針を決定するのが良いと考え、提案申し上げます。

「風評被害」が発生するのを阻止するには、風評被害が発生しない状況を作るのが何人にも大切であるという立場で、文書を策定しております。この様な手段を取らなければ、貴漁業組合が独善であると言われてもしかったがないという事になりかねません。

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内閣総理大臣 安倍 晋三殿
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己殿

いわき市漁業組合 矢吹 正一

風評被害対策要望書(案)

汚染水の海洋放出にかかわり、いわき市漁業組合としては、政府が安全であることを保証した基準を作成し、東電が誠意をもって実行し、消費者に実行結果をリアルタイムに公開情報とすることができれば、風評被害を防ぐことができると考え、以下の3条件;安全基準、実行方法、公開方法を採用されることを要望します。
条件が一つでも満たされない時は風評被害が発生すると考え、浄化排水の放流を認めることはできません。
1. 安全基準
トリチウムを含むすべての核種の放射能の限度値を明示すること

2. 実行方法
●浄化槽以外から海洋に流出しないこと
●汚染水を薄めてはいけないこと
●放出水の放射能の種類ごとの限度値を公開し、パブリックコメントを求めること
●浄化水をフロート生簀に保存し、試験操業で捕獲した魚を放流水で生簀で養殖し、その魚を議員食堂、各官庁食堂、福島県庁食堂の食材として購入すること

3. 公開方法
●WEBページで放出水の核種毎の放射能総量を定期的に公開すること
●食堂毎の養殖魚の消費実績を公開すること

収束に関するQ&A (1)

Q1: 溶けた燃料は取り出すのか、封じ込めるのか。

A1: 格納容器から取り出しても放置することはできないので、安全な場所に封じ込み、保管場所が必要となります。

封じ込めは格納容器に放射能遮蔽体で覆い、格納容器が保管場所となります。
両者を比較すれば、取り出しの方がコスト高であることは明らかです。保管容器、移動、保管場所が余計に必要となるからです。安全性は取り出しが有利です、理由は安全な場所に安全な保管場所に保存できるからです。

また、デブリが圧力容器(PCV)内に存在するか、格納容器(RPV)に留まるか、地下にもぐり込んでいるかで大きく変わります。今までの経験ではチェルノブイリ(CHBL)は封じ込め、スリーマイルアイランド(TMI)は取り出しを行いました。

安全性をコストで割って比較すれば、どちらが優れているか判定できますが、安全性もコストも既存のデーターを持ち合わせていないので比較困難となります。TMIでは取り出しを、CHBLでは封じ込めがされましたが、封じ込めが完全でなく新たな封じ込めが始まっています。

推定が困難な場合は コストより安全を選択することを推奨します。つまり取り出しが本論理より導かれます。
参照 原子炉建屋 http://irid.or.jp/debris/Reference_J.pdf
reactor_building1.jpg

収束に関するQ&A (2)

Q2: デブリ状態はどうなっているのか。

A2:  誰も判っていません 東電の推定は下図に示します。
根拠は熱収支計算ですが、計算には仮定が入っており、想定はあくまでも想定です 東電の推定プロクラムは、
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_111130_06-j.pdf
想定は無筋コンクリートの上にデブリが落ちる仮定をしていますが、実際は鉄筋コンクリートであり、仮定そのものが間違っています。鉄筋コンクリートの場合鉄筋が先に溶けて鉄筋の周囲からコンクリートを侵食すると思います。侵食に伴いCOガスが発生し、ガス圧力でコンクリートが破壊されることを想定しています。ガス圧が破壊すると僅かなエネルギーで沢山のコンクリートが破壊されます。
どちらも想定ですが、私の想定は東電の想定より、本物に近いと言えます。

present_estimation.jpg

収束に関するQ&A (3)

Q3: デブリの位置の確認はできるか

A3: 東電は東芝に委託してミューオン照射を行い、透過させて確認実験をカザフスタンで実施しています。建物の外から照射し建物の外で透過像を得る方法です。精度は0.3-1メートルが期待されています。
光子発生研究所のマイクロトロンの分解能は0.2ミリです。
http://www.photon-production.co.jp/j/products/mic.htm
20MeVマイクロトロンでやります。
建物の外から可能です
分解能が良いので正確な位置と形状が測定できます
デブリが地下にもぐり込んでいる時は地上からはできません
地下にトンネルを両側に掘って確かめます
別な方法はデブリが連鎖反応を起こしやすいPu240の場合には高速中性子が発生していると思われますので、中性子センサーで位置を確認します
トンネル内の2か所から方向を測定し、位置を決定します。

microtron.jpg

収束に関するQ&A (4)

Q4: 鉛冷却でなくても空冷で十分。鉛冷却の存在意味は何か。

A4: 強制空冷の場合、空気の抜け穴を開けない限り、空気は送り込めません。抜け穴にフィルターをつけなければなりませんが、フィルターはものすごい状況になり、とても近づいて交換できる代物とは思われません。フィルターが目詰まりすれば、空気の流れは直ぐに止まります。また、フィルターで放射能を除去できるとは思われません。放射能は外部にダダ漏れになるでしょう。空冷は危険極まりないと思います。これ以上放射能をばらまくわけには行きません。

一方、鉛冷却の効果は、鉛は融解温度が低いことから、融解に際して核燃料から熱を奪います。空冷の場合、デブリは固体状態で容器に接触しているでしょうから、接触している部分に熱が集中いたします。そして炉の壁を溶かすことになるでしょう。鉛を使う場合は、これが溶け出せば容器との接触面積が増加しますので、放熱効率が高まり、容器を壊すことは無いでしょう。だから安全なのです。

冷却水の場合には量的に多く必要であり、同じ重量であれば、水の場合は重心が高く、格納容器が危険にさらされます。

reactor_with Pb

収束に関するQ&A (5)

Q5: 2次的な汚染水の解決方法はあるか。

A5: 汚染源はデブリであり、デブリがなくなれば新たな汚染水は発生しません。
爆発時降下した放射能やすでに存在している汚染水の漏えい等の2次的汚染水発生の問題点が有ります。
1. トレンチに溜まっている1万2000トンの汚染水がトレンチの割れ目から流れ出します。また、新たな地震が発生すれば、トレンチや地盤に新たな割れ目ができて、海洋に漏れ出す可能性が有ります。
2. 地下水の冷却水への侵入 冷却水は地下室に漏れ出しているので、汲みあげないと地下室から溢れてしまうので、汲みあげていますが、地下水位が地下室水位より高く、1日400トン増加しつつあります。
3. 地下水の水位を下げて地下室への侵入を止めようとすると、地下室の汚染水が地下水へ流れ出し結果として海洋に汚染地下水が流れ込みます。
4. プラントに降る雨水とプラント外からも雨水が侵入しが汚染された土壌表面を流れ、しみ込んで汚染地下水を増加させます。

解決策
地震などで地盤が変形しても亀裂が入らないように、海側に新設された鋼性の遮水壁と現在の護岸との間を埋めたてて陸地化します
地下水位を下げる方法としてプラントの近傍西側に坑道を南北に掘削し水抜きを行い、水位を下げて地下水の侵入を防止します。冷却水の停止と冷却水の汲みだしと同期して次第に地下水位を下げます。
プラント外からの雨水の侵入を防ぐ水路をプラントの周囲に設置します。
プラントの水位を下げるにはプラント外の半円形の水抜き坑道を設置しプラント内の坑道と水位を同期させて水抜きを行い、プラント外の自然水が汚染水になることを防止します。

solution

プルトニュームをご存知でしょうか?

 広島にに落とされた原爆はウラン235を濃縮したもので、長崎に落とされたのはプルトニューム239です。ウラン235は中性子を1個吸収して核分裂を起こし2.5個の速い中性子を発生します。従って核分裂を持続するには減速材を用いて、速い中性子を遅い中性子に変換します。これに対してプルトニューム239は遅い中性子を吸収すると、核分裂して2.9個の速い中性子を発生しますので一挙に核分裂が起こりますから原爆として使われます。
 プルトニュームは自然界には存在せず、原子炉の中で作られます。ウランが中性子を吸収しさらにベータ崩壊して原子番号の大きなプルトニュームの同位元素がつくられます。その中にはプルトニューム240が含まれていますが、240は自発核分裂により遅い中性子を発生します。自発核分裂とは、読んで字のごとく、中性子を吸収して分裂するのではなく、勝手に分裂して、周りのプルトニューム239やウラン235を分裂させます。大変厄介な存在で、原爆を作る場合にもわずかな240の混入により核爆発が勝手に起きてしまいますから240を取り除かねばなりません。

主な核種の自発核分裂の確率を以下に挙げると、
235U: 5.60 × 10-3 回/s-kg
238U: 6.93 回/s-kg
239Pu: 7.01 回/s-kg
240Pu: 489,000 回/s-kg(約 1,000,000 中性子/s-kg)
プルトニューム240が如何に危険かわかります。

 さて問題は、福島の原子炉でどれだけのプルトニュウムが生成されているか公表されていないという事です。場合によっては、国は原爆の材料を秘密裏に生産していたかもしれません。
 私は、原子炉の中に大量のプルトニュウムが有ることを想定していませんでしたから、鉛冷却法を適用しても核爆発は起こらないと考えていました。ところがプルトニュームが大量にあるとすると話は別です。鉛を投入して、鉛が溶け出すと、重いプルトニュームやウランが液体鉛の中を移動して底に集中する可能性が出てきます。ここにプルトニューム240があると、核分裂が急速におこり、核爆発の危険性がでてきます。
 どうも国や東電はそれを恐れて、鉛冷却法を実施できないのだと思います。彼らは何故鉛冷却法を採用できないかについて明瞭な回答ができないのです。何故なら、原爆の材料を生産していたからです。
 鉛冷却法は誰が見ても、誰が考えても最も適切な方法なのです。それを採用できないのには、何か別の理由が有ったのです。
 
 これが私の現時点での推測です。
 恐ろしいことになりました。核爆発を起こす危険性が常にとなり合わせなのです。メルトアウトしていてもその危険性がつきまといます。お手上げです。核燃料がどこにどれだけ分布しているかを定量的に一刻も早く求める必要があるでしょう。

 山田廣成
 2014.11.24